こんにちは。株式会社プラスアルファの島田です。
今回は、弊社で行ったリフレクティックスと断熱材の比較実験をご紹介します。
目次
1.実験の目的|遮熱材の評価はちゃんとできていない
現在、日本の建築物に使われる暑さ・寒さ対策としては断熱材が主流です。
断熱材は熱伝導率が低く、壁や屋根に充填して伝わる熱を少なくするために使います。
そのため、どれくらい熱が伝わりづらい素材なのか?という点で評価を決めます。
しかし、遮熱材リフレクティックスは熱が伝わりやすいアルミニウムで電磁波を反射する素材です。
なので断熱材の評価に使われる「熱の伝わりづらさ」を考えるとダメダメな評価になってしまいます。
そこで今回は、リフレクティックスと断熱材の性能を比較する実験をしてみました。
※余談
海外の論文を調べてみても、遮熱材と断熱材を比較するための数値というのはまだ定まっておらず、実際の施工に近い状況で実測する方法がとられています。
2.実験方法
リフレクティックスとフェノール樹脂の断熱材(50㎜)でそれぞれ箱を作成。


2つの箱は内寸が4000mm×4000mm×4600mmになるように作成。
そのため、外回りの寸法には違いがある。
箱の中にWBGTロガーを設置して温度、黒球温度、湿度、WBGT温度を記録。


1200Wの電熱器を照射したときの変化を計測した。
WBGTロガーの位置は変えず、電熱器から箱の表面までの距離を固定して実験を行った。
3.補足|WBGTロガーとは
WBGTロガーはWBGT温度を自動で記録してくれる機械です。
WBGT温度については、環境省に説明があったので以下に引用します。
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。 暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。 引用元:環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数について
4.実験結果
まず、単純な箱内の温度の変化は次のような結果になりました。
サイズ的な問題で1度に二つとも測定することができず、午前と午後にわけて実験をしているため、スタート時の温度に差異が出ています。
別日に午前と午後を入れ替えて実験をしましたが、グラフの動きはほぼ同じです。
リフレクティックスの箱の方が温度変化がなだらかなのがわかります。
輻射熱の量を示す黒球温度も同じような動きをしました。
こちらは希望があれば公開したいと思います。
最後にWBGT温度の変化を見てみます。
熱中症の危険度の基準でもあるWBGT温度には、箱内の気温よりも大きな差が出ました。
5.まとめ
今回の実験では、リフレクティックスが断熱材よりも良い成績を残しました。
もちろんこの実験結果をもって一概にリフレクティックスの方が優秀ですとは言えません。
断熱性能試験をすれば断熱材に軍配があがります。
ですが、一定の条件下でリフレクティックスが高い性能を発揮すること間違いありません。
否定的な声も少なくない遮熱材ですが、効果がないと頭から否定してしまうのではあまりにもったいないです。
今後も遮熱材リフレクティックスに関して、実験やデータ収集を行っていきます。
ご検討される方、相談してみたい方はぜひご連絡お待ちしております。
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